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潤んだ瞳が印象的なクロエを演じたのは、役にぴったりのお嬢様然としてクールな性格が評価され、映画デビューながら主演女優の座を射止めたチワワのエンジェル。そして、跳ねるように走り回って元気にパピを演じたのは、チワワの雑種のラスコー。いつも楽しそうにシッポを振っている彼だが、実は、動物保護施設に保護されていた苦労“犬”。まさに殺処分寸前のときに、大きな耳と豊かな表情の魅力で主演男優に大抜擢されるという運命の大逆転を経験した。奇しくもそれは、ノラ犬出身というパピの設定と全く同じだった。
驚異的なのは、エンジェルやラスコーをはじめとする “俳優犬”達の実力だ。彼らは、走ったり跳んだり泳いだりするアクションのみならず、疲れ切って前足にアゴを載せて眠りにつくいたいけな仕草、愛に輝く表情、心の傷などの繊細なニュアンスや、時にはギャグまで演じ切った。
犬キャストの脇を固める人間の俳優達も実力派ぞろい。クロエを迷子にしてしまうレイチェル役に、出世作『コヨーテ・アグリー』(00)で鮮やかな印象を残したパイパー・ペラーボ。世界を相手に颯爽と仕事をするセレブで、クロエに途方もない愛情とお金を注ぐ飼い主・ヴィヴをパワフルに体現するのは、『フォーチュン・クッキー』(03)のジェイミー・リー・カーティス。また、クロエの声を『チャーリーズ・エンジェル』(00)のドリュー・バリモア、デルガドの声を『オーシャンズ11』(01)のアンディ・ガルシアという超豪華スターが演じているのも見逃せない。
極めて犬らしい自然な仕草をするリアルな犬達が、人間的な欲求や願望を持って冒険する。この大胆なドッグ・エンターテイメント・ムービーに挑戦した監督は、『25年目のキス』(99)のラジャ・ゴスネル。犬好きならではの視点と情熱で、犬達の何千という表情をすくい上げ、スクリーンに定着させた。さらに、本作を楽しいだけの犬映画に留まらせないのは、そのテーマ性だ。クロエは、サバイバルしながら、次第にチワワ本来の誇りを取り戻してゆく。本作に流れる「本当の自分に立ち返る」というテーマは、『25年目のキス』でドリュー・バリモアが演じたヒロインから繋がるものともいえよう。
そして、忘れてならないのは、200頭を越える犬達のキャスティングからトレーニング、そして演技指導までを統括したヘッド・トレーナー&アニマル・コーディネーターのマイク・アレキサンダー(『南極物語』(06))の存在。彼は、演技経験のない犬達をも愛情に基づくトレーニングで“俳優犬”に育て上げ、数々の名シーンを生み出す原動力となった。
メキシコ・ロケによるラテンの鮮やかな色彩に彩られたアクションとギャク、そしてハートウォーミングなドラマがいっぱい詰まった『ビバリーヒルズ・チワワ』。
この春、小さなチワワが日本中を元気にする!

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